2013.12.7-9
シアターノーチラス#14 『どこか遠くへ行く日』(短編集)
at. 中野RAFT
血液ほどには赤くない。
涙ほどには苦くない。
吐息ほどには重くない。
血液ほどには赤くない。
涙ほどには苦くない。
吐息ほどには重くない。
今までやった一番悪いことって、なに?
誰もその姿を見たことがない
姿なき犬の行方を追いかけて、
探偵は、街を駆け抜ける
真夏のその庭から 次の未来が始まるのかも、しれない。
栢子の結婚1年目は、栢子の夫の失踪からも1年目。
男たちと女たちが語る奇妙な祝福の午後。
知りたかったこと、知らなければよかったこと、
たくさんあるのは、どっちだろう。
入院病棟の待合室。夜。足音。再会。疑い。過去。戸惑い。呼吸。まなざし。すれ違い。火事の夜。予言。誤解。たくらみ。鳥。カゴの中の鳥。カゴの外の鳥。
通り過ぎる人たちと、再会した人たちと、初めて出会った人たちの、小さな物語。
涙をあつめた小さな瓶に レンズであつめた光を当てる。
永遠のトラップという名のドラッグに導かれ、
これから私は、あの空白の時間をさかのぼる。
今朝1杯目のコーヒーを飲みながら、私は、私の夢のことなんか考えない。
私は、何をなくしたのかなんて考えない。私は、あしたの自分のことなんか考えない。
それは、通りのはずれにあるカフェの、
いつもの朝と、いつもとはちがう朝。
眠るように死ねる毒薬ひとつ。
世界の終わりに出会った3人。
そこに椅子が置かれたら始まる三つの物語
ひとつの葬儀が終わった後で初めて出会ったふたりの女の、静かな、しかし、行方の知れない会話…
椅子が置かれただけのシンプルな舞台で、人と人とが織りなす言葉のあやと人生のあや。
女は「ゴミ屋敷に住む不幸な女」、男は「衛生局勤務のキレイ好きな男」、 ふたりの出会いは、3年前に消えたある男の謎をめぐって、 不可思議な「あの夜」へと人々を誘う。 ゴミ処理施設建設のために取り壊された古い天文台で 最後に見送った男の後ろ姿を追いかけて、 いつしか《無限》と《夢幻》の夜が始まる…